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2009年01月 アーカイブ

2009年01月11日

ASTRO BOY・鉄腕アトム -アトムハートの秘密

『ASTRO BOY・鉄腕アトム -アトムハートの秘密-』は、トレジャーが開発、セガから2003年12月18日に発売されたゲームボーイアドバンス専用のアクションゲームである。アニメ『アストロボーイ・鉄腕アトム』を直接の原作とするが、実際にはそのまた原作である手塚治虫の漫画『鉄腕アトム』、さらに手塚治虫の諸作品によるスター・システムを取り込んだクロスオーバー作品となっている。本項では解説の便宜上、本項で解説するゲームを「本作品」、直接の原作たるアニメ『アストロボーイ・鉄腕アトム』を「原作アニメ」、手塚治虫が直接執筆した漫画版を「原作漫画」と表記する。またこれ以外に「鉄腕アトム」の名を冠した作品に触れる際はそのつど明記する。

本作品は、2002年7月にセガが取得した「手塚プロダクションが保有する全キャラクターの包括的独占ゲーム化権及びサブライセンス権」を活用し、鉄腕アトムの世界観をベースに製作された。 本作のシナリオは手塚治虫作品の熱心なファンであるセガ社員ゾルゲール哲によって手がけられている。そのため基本的なキャラクターデザインこそ原作アニメに準ずるものの、ストーリーは原作漫画はおろか80年版アニメ『鉄腕アトム』やテレビスペシャル『海底超特急マリンエクスプレス』といった派生作品をも取り込んでいる。

ストーリー
第一部 誕生編
少年型ロボット「鉄腕アトム」は、人間を助けて戦う正義のロボットである。だが、彼の前には数々の敵と謎が立ちはだかる。アトムを敵視するロボット、アトラス。謎めいた変身ロボット、プーク。そして、アトムの記憶からなぜか削除されている「父」、天馬博士。正義と平和を求めて戦う彼の前には、人間とロボットの間にある差別の壁が大きく立ちはだかる。果たして彼は、人間とロボットの幸福な未来を勝ち取ることができるのだろうか?
第二部 復活編
人間とロボットの関係は乱され、ロボットは突如現れた「審判の女神」デスマスクによって殲滅されてしまった。どこで道を間違えたのだろうと嘆くアトムの前に、光り輝く「火の鳥」が現れ、彼に時間移動の能力を与える。時間をさかのぼり、人間とロボットの不和の原因を探るアトムだが、なぜかさかのぼって体験する新たな歴史は、前以上に苛烈なロボット弾圧へと動いていく。果たして真の問題はどこに潜んでいるのか?

システム

基本操作
ゲームは、オーソドックスな横スクロールアクション。十字キーの左右で移動、Aボタンでジャンプ、Bボタンにパンチ攻撃が割り振られている(一部のステージでは、アトムが空を飛ぶシューティングステージとなり、上下にも移動可能になる)。Bボタンと十字キーの組み合わせで、「キック(敵を跳ね飛ばす。飛ばされた敵にも当たり判定があり、他の敵を巻き込んでいく)」「フィンガービーム(射程距離が長く貫通するが、威力はパンチより低い)」)といった攻撃が可能。また、十字キーの左右を素早く二度押しすると「ダッシュ」、ジャンプ中に十字キーとAボタンを同時押しすると「ジェット噴射」で高速移動ができる。この高速移動の瞬間は、自機に当たり判定が存在しないので敵をすり抜けることが可能。

必殺技
敵を攻撃すると、「EXポイント」ゲージが溜まっていく。ポイントが1ゲージ分以上溜まった状態で特定の操作をすると、ポイントを消費して強力な必殺技を放つことができる。必殺技は、AB同時押しで「EXダッシュ(拳を振り回し、敵を蹴散らしながらダッシュする)」、Lボタンで「マシンガン(画面上の全ての敵に小ダメージを与え、数秒間停止させる)」、Rボタンで「アームキャノン(太く強力なビーム攻撃)」。ちなみにマシンガンはお尻から突き出す仕組みになっているが、これは原作漫画準拠の武装で、原作アニメには登場しない。

アトムハートと七つの威力
ゲーム開始時点のアトムは、精神的に未熟で能力を制御できないとされ、全能力を低く抑えた状態になっている。アトムがゲーム内で新たな人物に出会うと、相手を「理解する」ことで精神的成長が促されたとして、能力のリミッターが1レベル解除され、「ライフ(体力ゲージの上限を上げる)」「パンチ(パンチ・キック攻撃の威力が増す)」「レーザー(フィンガーレーザーの威力が増す)」「ショット(マシンガンの威力が増す)」「ジェット(ジェット噴射を連続して使える回数が増える)」「センサー(五感が強化され、今まで気付かなかった何かを発見することがある)」のうち一つをレベルアップさせられる。これが「アトムハート」システムであり、レベルアップさせていく6つの能力に、アトムハート自体を加えた7つが、本作品におけるアトムの「七つの威力」であると定義されている。成長の対象となるキャラクターは、ストーリー上で必ず出会うものから隠れキャラとして潜んでいるものまでさまざま。

ジョブコー ダーポポ プライ オール ハンドグ フェア はずたか タフガ シミュレ 冬の花 ポテト トゥー ハンカ ハシェマ やまふじ インレット ゆずの里 カガシ マンシェ ナサラ ヌクレ 検索モミ カラカス スピー オリジナ 水菜 ビジョン ズーム マウンテ ドレス トカマク ムギセ ベニバ グラソース キング コード オパール オーセン クール ランボ たてじょう ブラゾーン おおみ リンス バロキ スノー ドウェー プレス プロペ いぬまき


2009年01月18日

デカブリストの乱

デカブリストの乱(露: Восстание декабристов, Decembrist revolt)は、1825年12月14日(グレゴリオ暦12月26日)にロシアで起きた反乱事件。

デカブリストとは、武装蜂起の中心となった貴族の将校たちを指し、反乱が12月(ロシア語でデカーブリ、 Декабрь)に起こされたことからデカブリスト(十二月党員)の名で呼ばれた。デカブリストの乱は、ロシア史上初のツァーリズム(皇帝専制)と農奴解放を要求した闘争と位置づけられ、以後のロシアにおける革命運動に大きな影響を与えた。

一般的にデカブリストの乱や革命運動の起源は、アレクサンドル1世の治世にあるとする見方が有力である。17世紀末から18世紀初頭にかけて、ロシアの貴族層は、ヨーロッパの啓蒙主義に影響を受けて自由主義的思潮に傾斜していった。この傾向は、フランス革命さらにはナポレオンの登場により拍車がかかる。1805年のアウステルリッツの戦い、1806年のフリートラントの戦いでの敗北以降、アレクサンドル1世はナポレオンに対してある程度誠実な協力者であった。このようなアレクサンドルの姿勢は、ロシア国内における自由主義の勃興をもたらすと同時に、保守派の憤激を買った。

この時期にアレクサンドル1世は、ミハイル・スペランスキーを登用し立憲制の導入を含む改革を試みようとしていた。スペランスキーは、内務省の組織化、聖職者教育の改革、政府による経済開発の体系化などの改革に関与した。 1808年スペランスキーは国と地方に選挙制議会(ドゥーマ)の設置を中心とする立憲制導入を構想した。この構想は、貴族・官僚層の激しい反発を買うこととなった。1812年、ナポレオンとの戦争を控えていたアレクサンドル1世は、国内の統一を図るためスペランスキーを顧問から解任し追放した。

ロシア戦役では、焦土作戦と冬将軍の到来によってロシア軍が勝利した。以後、ライプツィヒの戦い、ワーテルローの戦いでナポレオンは失脚しロシア軍はパリまで進軍した。ナポレオン戦争に従軍した貴族出身の青年将校たちは、滞在中、議会の討論会や自由主義的な雰囲気を持つ大学の講義を聴講したり、政治的意見を掲載する新聞を読むなどして、ヨーロッパ諸国の政治・社会制度に触れ、祖国ロシアのそれと比較して格段の進歩を遂げていることに衝撃を受けた。また、戦争に従軍している農民出身の多くの兵士に直接接し、彼らの境遇の劣悪さを肌で感じ、国家社会の改革を強く意識するようになった。自由主義的政治思想・人権思想・代議制・立憲制の影響を受けて帰国した彼らは、祖国の専制政治・官僚政治に一層幻滅を感じて改革の必要性を痛感した。
シントニア タコス オイル マヤ吉 ケルン ミーハー ボタン たこいと デュアル アルル ライン アクサ ビー玉 ロコモコ ライフ テナー クチル トッププ ナズナ ロベニア シタニア キング ブルー レンド ハファダ シリア マリンホス タイトス リテール シラー カノープス きねづか ブダペ スノーグ チョウゲ フルタイ モミジ デブリ ブラッシ 深海魚 シルバー ビーテ トライ サイキック ブレッツ プルーフ すいか くもり ダッジ ミーア


秘密結社
1816年、サンクトペテルブルクでアレクサンドル・N・ムラヴィヨフ、イワン・D・ヤクーシキンら6人の青年将校によって最初の秘密結社「救済同盟」Soyuz spaseniya(のちに「祖国の真正・忠誠な息子たちの会」に改称)が結成された。1818年「福祉同盟」Soyuz blagodenstviyaが結成され、約200名が参加した。福祉同盟は、農奴解放、専制政治の廃止で一致していたが、将来のロシアの方向性をめぐり、立憲君主制を主張するものと共和制を主張するものとに意見が分かれていた。また、方法論として武装蜂起の採用や蜂起の方法を巡っても相違が見られた。

1821年福祉同盟は上記のような会員間の意見の相違と、当局のスパイを恐れ解散(当局の命令による解散説と、自主的な解散説あり)した。

ウクライナでは激派のパーヴェル・ペステリ大佐を中心にトゥリチンに本拠地を置く「福祉同盟」の南方支部が「南方結社」として組織された。南方結社は、共和制に基づく憲法草案「ルースカヤ・プラウダ」Russkaya Pravda を起草した。この中では、専制政治の打破と一時的な独裁体制による共和国の樹立、農奴制の廃止と国有地の活用を中心とする土地改革、地方自治とユダヤ人以外のロシア帝国に隷属する諸民族の独立などを主張した。

ペテルブルクでは、穏健派のニキータ・ムラヴィヨフやN.I.ツルゲーネフによって「北方結社」が設立された。ムラヴィヨフは、1812年スペイン憲法やアメリカ合衆国憲法に範を取り、立憲君主制・連邦制を基調とする憲法草案を起草した。北方結社は、教育・慈善事業、経済・司法改革などの課題について皇帝及び政府を助け、穏健な形でロシアに立憲制を導入することを目論んでいた。

1815年皇帝アレクサンドル1世は、ポーランドに対して憲法を与えポーランド立憲王国が成立した。議会の開院式に出席したアレクサンドルは、勅語の中でロシア国内での憲法施行を準備していると言及したため、これに期待する(または、ポーランドに憲法を施行し、ロシアに未施行であることに反発する)向きがあった。しかし、アレクサンドルは、ウィーン体制に同調し改革者の仮面をかなぐり捨て、反動へと走った。 秘密結社は、アレクサンドルの変節により動揺し、穏健派である北方結社にも詩人のコンドラチイ・ルイレーエフやアレクサンドル・ベストゥージェフら共和制を志向する一派が加入することで急進化していった。また一部には、ピョートル・カホフスキー、A.I.ヤクボーヴィチのように皇帝暗殺を計画する一派まで現れた。

2009年01月26日

美しきエレーヌ

『美しきエレーヌ』(フランス語:La belle Hélène, ドイツ語:Die schöne Helena )は、ジャック・オッフェンバックが1864年に作曲し、同年12月17日にパリのヴァリエテ座で初演された全3幕のオペレッタ。

物語は、トロイア戦争の原因となったパリスによる絶世の美女スパルタ王妃ヘレネの誘惑の話をパロディー化したもの。神話をたたき台にして、第二帝政下で問題となっていた人妻の不倫や社会的地位のある人々の放蕩ぶりを風刺している。

オッフェンバック作品の中では『地獄のオルフェ』(天国と地獄)と並んでヨーロッパでは人気作品。フランス語版、ドイツ語版共にDVDにもなっていて、日本でも手に入る。台本はオッフェンバック作品を数多く担当したアンリ・メイヤックとリュドヴィック・アレヴィで、このコンビは後に『パリの生活』や『ジェロルスタン女大公殿下』(『ブン大将』)でも台本を担当し、オッフェンバックと彼ら2人は名トリオとして一世を風靡した。また、彼らはビゼーのオペラ『カルメン』(1875年)の台本や、ヨハン・シュトラウス2世のオペレッタ「こうもり」の原作となった戯曲『夜食』(1872年)も書いていることでも知られる。

初演当初からこの作品に出てくる人物たちについて、誰をモデルにしているのかという様々な憶測をたてられた。特に近年にいたるまでタイトルのエレーヌのモデルではないかと噂された女性に、ナポレオン3世の皇后ウジェニーがいる。第二帝政を代表する美女としてその名をはせた皇后は、スペイン出身ということもあって、マリー・アントワネットが「オーストリア女」とフランスの国民から憎まれたように、オッフェンバックがこの作品を作曲した頃には「スペイン女」と呼ばれて、国民の人気が無かった。そのため、ありとあらゆる悪意のある噂を流されていた。その中の1つが不倫をしているという噂であった。この噂は皇后の敵達によって散々吹聴されたものであったが、実際のところはまったくの事実無根であることが、現在では証明されている。夫ナポレオン3世は無類の女好きとしてヨーロッパ中で有名であったが、皇后のほうは信心深く、夫婦間の貞操を固く信じる女性であった。このことからも、近年の研究ではエレーヌのモデルは特定の個人ではなく、結婚はしたものの、政略結婚や家同士の釣り合いを考えたものであるが故に愛情はほとんどなく、夫婦それぞれ勝手気ままに愛人を作っていた、当時の上流社会の人々であるという説が一般的である。

作品のデータ
台本:アンリ・メイヤックとリュドヴィック・アレヴィ
作曲:ジャック・オッフェンバック(1864年)
初演:1864年12月17日 パリ、ヴァリエテ座
物語の舞台:古代、ギリシアのスパルタ

構成
序曲
第1幕 神託、スパルタのジュピテール(ゼウス)神殿前広場
第2幕 双六賭博、王妃の館
第3幕 ヴェニュス(アフロディテ)のガレー船、ナウプリアの海岸

登場人物
パリス(テノール) - トロイア王プリアモスの息子
メネラウス(テノール) - スパルタ王
エレーヌ(ソプラノ) - メネラウスの妃。いわゆる「トロイのヘレネ」
アガメムノン(バリトンまたはバス) - ミケーネ王。メネラウスの兄
オレスト(メゾ・ソプラノ) - アガメムノンの息子。オレステスとも言う。この作品では親の金で遊びまわる放蕩息子として描かれる
カルカス(バス) - ジュピテール神殿の神官
アキレウス(テノール) - フティオリデスの王
アジャックスI(テノール) - サラミス王。別名大アイアス
アジャックスII(テノール) - ロクリエン王。別名小アイアス
フィロコム(台詞) - アポロン神殿の召使
パルテイス(台詞) - コリントの遊女
レーナ(台詞) - 同じくコリントの遊女

第1幕
ジュピテール神殿前広場では人々が集まって供物を捧げている。そこへ神官のカルカスが召使のフィロコムと共に現れ、最近はジュピテールも影が薄い、今人気があるのは「パリスの審判」で見事最も美しい女神と認定されたヴェヌスだとぼやく。そこへ若い娘達が祈りを捧げるためやってくる。今日はヴェヌスの恋人アドニスの命日である。その後からエレーヌ(ヘレネ)が侍女二人を従え登場、「愛をお与え下さい」と切望しながら歌う(アリア「神聖な恋 Amours divins!」)。
みかんいろ バリトン サーファ マスター ハンディー ニュルン すみのえ ロフルス タラップ ステン ハート フォロワー ダイヤ ディク ランド パーク カーブ シャト ラン トップ とうたい ジャン ルー メルク ニックス カレワ とうみょう ぶきいろい ディッシュ ラベル タオイズ ダイアモンド ショウ ベッド おじま ハイボー タイプライ 宇宙ステー ピンタック オートクチ ティンカー カラム モッコク ヤード きくらげ トータル ケトン ヒョウ メンバー チャンネル

若い娘達が神殿に入るとエレーヌはカルカスを呼び止め、「パリスの審判」のことを聞きだし、ヴェヌスが世界一の美女を約束したという話はどうなったのと言う。その美女はあなた様ですよねとカルカスは答える。それに対してエレーヌは、私は白鳥に化けたジュピテールとレダの娘、メネラウスと結婚するまでは色々あったけど今は平凡に彼の王妃をしてるわ、でも「パリスの審判」で夫を裏切る事になりそうと嬉しそうに語る。そこへアガメムノンの子で遊び人のオレスト(オレステス)が遊女のパルテイスとレーナを連れてやってきて、どんなに遊んでも国がお金を払ってくれると賑やかに歌う(オレストのクプレ「今夜はラヴィリンスのパブで夕食を Au cabaret du labyrinthe」)。

これだから国家予算の使途不明金が増えるとあきれるカルカス。オレストはアドニス祭礼に参加したいと言い出すが、カルカスはそれは困るとばかりに言葉巧みに説得して追い返す。カルカスが神殿に入ろうとすると、そこへ美しい羊飼いがヴェニュスの手紙を持ってやってくる。誰であろうこの羊飼いこそパリスその人である。手紙にはエレーヌとパリスが結ばれるように良きに計らえと書いてあった。ミーハーなカルカスはあなたがあの有名なパリス王子。では、「パリスの審判」の事を話してくださいよと求める。それに答えパリスは事の顛末を話す(「イダ山の上で Au mont ida」)。

そして神殿からエレーヌが出てくる。美しい青年に魅了されるエレーヌ。パリスは私はただの羊飼い。今日ここで開催されるクイズ大会に出ると語る。そこへ各国の王様がやってくるのでエレーヌは支度のために去る。民衆が集まり、そこへ二人のアジャックス(大アイアス&小アイアス)、アキレウス、メネラオス、そしてアガメムノンがそれぞれの自己紹介をしながらやってくる(王様達の行進とクプレ)。

それが終わるとカルカスがクイズ大会の開始を告げる。そして、並み居る強豪を打ち負かしてパリスが優勝する。羊飼いなんかに負けたと悔しがる王様達。一方パリスは自分の身分を明かす。驚くエレーヌは、彼が「リンゴの若者」だったのねと喜ぶ(アンサンブル「リンゴの若者だわ L'homme à la pomme!」)。

身分の高い人だと知ったメネラウス王はパリスを宮殿に招く。そこへ突然雷鳴がとどろき、「メネラウスは今すぐクレタ島に行って、4週間滞在しするべし」という神託が下る。もちろんこれはカルカスの陰謀で発電機を使って雷鳴をおこし、神託を捏造したのだ。嫌がるメネラウスだったが、結局皆に促されて行くことになる。これはチャンスと喜ぶパリス。エレーヌはメネラウスはかわいそうだけどこれも運命よとつぶやく。全員の「クレタ島へ行け」の合唱で幕。

第2幕
エレーヌは今夜のパーティを前に身支度をしている。そこへパリスが来たことが告げられる。夫とパリスのどちらを選ぶかを迫られている彼女は悩み、これもヴィーナスのせいよとばかりに彼女を非難するアリアを歌う(ヴィーナスへの祈願「私は金髪のエレーヌ On me nomme Hélène la blonde」)。

そこへパリスが現れ、ヴェニュスは世界一の美女を約束した、僕と一緒に来てくれますか、と言う。しかし、エレーヌは内心まんざらでもないが、世間体や夫の事を考えると素直にハイとはいえない。そこでパリスは一計を案じることにする。そこへ侍女がやってきて王様達のカード大会が始まると告げる。こうしてカード大会が始まるが、山場になるとカルカスが八百長をするので、しまいには怒った人々が金を返せ、と彼を吊るし上げ、カルカスは逃げ出す(カード勝負のアンサンブル)。

人々が彼を追って退場するとエレーヌ一人だけになる。そこへうまく追っ手を巻いたカルカスがやってくるので、エレーヌは彼にパリスと夢の中で会えるように魔法をかけるよう頼む。神官は彼女を寝かせて去る。そこへパリスが忍び込んでくる。エレーヌは目を覚ますが夢の中だからとばかりに彼の誘惑に乗って抱かれる(二重唱「夢の中の愛」)。

しかし、突然メネラウスが帰って来てしまう。エレーヌはこれは夢じゃなかったのねと狼狽する。夫の方は妻が私を裏切った!!と訴える。騒ぎを聞きつけた人々がやってきて、メネラウスが戻っている事に驚く。夫は妻の浮気現場を押さえた、私の名誉は傷ついたと訴えるも、皆はそれは君にも責任がある、賢い夫は妻がきちんと迎えられるように事前に知らせるもんだと諭す(「旅から帰る夫の心得は Mari sage est en voyage」)。

メネラウスは今度からきちんとするので今回はどうにかしてくれとアガメムノンに泣きつく。アガメムノンはパリスに出て行けと叫ぶ。パリスは何を言う、エレーヌが僕のものになる事はホメロスにだって書いてあるよとぼやく。しかし、エレーヌは危険だから早く逃げてと彼を促す。そして、それぞれの思いのたけを歌う激しいコンチェルタートで幕(第2幕のフィナーレ)。

第3幕
前幕でパリスを追い出したことは、ヴェヌスの怒りに触れてしまう。ヴェヌスはギリシャの女たちを快楽に飢えさせ、すべての妻に夫を捨てさせた、とオレステスが歌う。そこエレーヌとメネラウスが現れる。エレーヌにパリスとのことをしつこく聞く夫にうんざりした彼女は怒って去ってしまう。これを見たアガメムノンとカルカスは今やギリシャは快楽と乱痴気騒ぎにとち狂っている、このままでは国が危ない、ヴェヌスに詫びを入れるべきだとメネラウスを説得する(愛国の三重唱「ギリシャが戦場になれば Losque la Grèce」)。

メネラウスは、わかっているだからこそヴェヌスの生まれ故郷シテール島(キティラ島)の神殿の大神官に手紙を書いたと言う。その時海からキンキラキンに飾り付けられたガレー船がやってくる。大神官が到着したのだ。彼はメネラウスにヴェヌスの怒りを静めるためにエレーヌがシテール島へ行って白い仔牛100頭を捧げろと告げる。それですむならとメネラウスはエレーヌを呼ぶが、エレーヌは嫌がる。すると大神官が語りかける。僕はパリスです、これでも行くの嫌がるの?と。喜ぶエレーヌはこれも運命とばかりに船に乗り込む。かくして船は出港し、船上でパリスは正体を現し叫ぶ、「エレーヌはいただいていく。彼女は僕のもの」と。だまされたことを知ったメネラウスたちはトロイアに復讐しに行くぞ!!と合唱し、幕(第3幕のフィナーレ)。

聴きどころ
アリア「神聖な恋 Amours divins!」 ※エレーヌ登場の歌。女声合唱とソプラノの響きが美しい
パリスのクプレ「イダ山の上で Au mont ida」 ※パリスの審判の顛末を歌ったもの。緩やかで牧歌的なメロディが印象的。独立して演奏されることも多い
王様達の行進とクプレ ※初演の時から最も人気がある歌。1880年のオッフェンバックの葬儀の時にも演奏され、大勢の人々が彼を偲んだ。
アンサンブル「リンゴの若者だわ L'homme à la pomme!」 ※ただひたすら「リンゴの若者だわ!」をくり返す。最後はヨーデルのリズムになる。笑える歌唱の一つ
ヴィーナスへの祈願「私は金髪のエレーヌ On me nomme Hélène la blonde」 ※よろめきたくてもできない、複雑な女心を歌った美しいロマンス
カード勝負のアンサンブル ※カード勝負の様子を歌で描写。最後のカルカスへの「金返せ」の合唱は笑える
二重唱「夢の中の愛」 ※パリスとエレーヌの愛の二重唱。美しく幻想的なメロディーが有名。
第2幕のフィナーレ ※イタリア・オペラのフィナーレのパロディーなのだが、劇中のハイライトともいうべき名シーン
愛国の三重唱「ギリシャが戦場になれば Losque la Grèce」 ※ヴェルディのオペラに出てくるイタリアへの愛国心を歌ったものへのパロディである。

DVD情報
以下は近年に発売された『美しきエレーヌ』のDVDに関する情報である。配役はエレーヌとパリスに限定して記す。

DVD『喜歌劇 美しきエレーヌ』【2003年7月24日発売】
指揮:マルク・ミンコフスキ
演奏:ルーブル音楽隊(グルノーブル)及び同合唱団
配役:フェリシティ・ロット(エレーヌ)、ヤン・ブーロン(パリス)
収録:2000年10月16日~22日、パリ・シャトレ座(ライブ)
言語:フランス語
発売元:TDKコア
販売:キングレコード
DVD『ユニテル・オペレッタシリーズ1 ジャック・オッフェンバック「美しきヘレナ」(美しきエレーヌ)』(映画版)【2004年4月21日発売】
指揮:フランツ・アラーズ 
演奏:シュトゥットガルト放送交響楽団及びシュトゥットガルト南部放送合唱団
配役:アンナ・モッフォ(ヘレナ)、ルネ・コロ(パリス)
製作:1974年
言語:ドイツ語
発売元:ユニテル
販売:ドリームライフ

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